単管クランプは、足場職人なら誰もが知る資材のひとつです。しかし、種類や特徴、価格まではっきり把握している方は少ないかもしれません。この記事では、単管クランプの種類・特徴・一緒に使う道具・価格相場を徹底解説していきます。普段何気なく単管クランプを使っている方は復習として、単管クランプのことをよく知らない方は知識を蓄えるためにお読みいただけますと幸いです。
【足場材】単管クランプとは?
足場材「単管クランプ」とは、2または3本の単管パイプを交差あるいは平行して緊結するときに使用する緊結金具です。単管パイプをそれぞれの穴に通し、ナットを締め付けて固定します。足場現場では、単管足場(※)を組む際に用いられます。
※単管足場とは
直径48.6mmの単管パイプと、単管クランプを組み合わせて作る仮設足場のこと
【足場材】単管クランプの種類と特徴
足場現場で使う単管クランプの種類は以下の3つです。
- 直交クランプ
- 自在クランプ
- 3連クランプ(直交・自在タイプ)
特徴も合わせ、ひとつずつ解説していきます。
直交クランプ
「直交クランプ」とは、パイプ同士を直角に交わらせて緊結したいときに使う単管クランプです。2つのクランプの継ぎ目が固定されているので、パイプ同士の交差角度が90°に保てる構造になっています。
直行クランプの特徴は、耐荷重(許容耐力)500kgと強度が高く、安定性があるところです。そのため、単管足場を組む際は、直交クランプをメインに使用します。
自在クランプ
「自在クランプ」とは、2本のパイプを好きな角度で緊結したいときに使う単管クランプです。2つのクランプの継ぎ目が動くようになっているので、パイプの交差角度が自由に変えられます。
「自由に角度調整できるなら、直交クランプは使わず、自在クランプだけを使ってもいいのでは?」と思うかもしれませんが、そのような使い方は決してしないでください。
自在クランプは自由がきく分、耐荷重(許容耐力)350kgと、強度が低いのが特徴です。あくまで足場を補強するためのサブ的なクランプであり、メインで使用することはできませんので注意しましょう。
3連クランプ(直交・自在タイプ)
「3連クランプ」とは、直交クランプか自在クランプの間に単クランプを1つ挟んだもので、3本のパイプを交差緊結したいときに使います。
直交タイプと自在タイプの2種類があり、直交タイプは直交クランプと、自在タイプは自在クランプと同じ使い方をします。これらの違いは、2本交差できるか3本交差できるかということだけです。
耐荷重(許容耐力)についても同様に、直交タイプは500kg、自在タイプは約350kgとなっています。
【足場材】単管クランプと一緒に使用する資材と道具
単管クランプを使う際に一緒に使用する資材や道具をご紹介します。
単管パイプ
「単管パイプ」とは、直径48.6mmのパイプの形をした鋼管です。「単管」や「パイプ」とも言われています。単管パイプは、外径規格が決まっていますが、厚みに関しては2種類あります。
重量が軽く強度も強いのが1.8mm、重さも強度も劣るが価格が安価なのが2.4mmです。用途や目的に合わせた厚みを選ぶとよいでしょう。
固定ベース
「固定ベース」とは、単管パイプを地面に固定するための資材です。突き出た部分に単管パイプをはめ、地面に設置すると、足場が固定されます。
ジャッキベース
「ジャッキベース」とは、地面に段差がある場合に高さ調整するための資材です。固定ベースと単管パイプの間に取りつけ、調整ねじを回すことで高さ調整できるようになります。
ラチェットレンチ
「ラチェットレンチ」は、ボルトやナットを締めたり緩めたりする際に使用する道具です。特定方向にのみ回転する構造になっているため、しっかりと締め上げることができます。単管クランプのナットを締めるときに使いたい場合は、17×21のサイズを購入しましょう。
なおナットを締める際は、締め過ぎに注意しましょう。心配になって強く締めすぎてしまうと、ナットが滑って緩められなくなる場合があります。
【足場材】単管クランプの価格相場
単管クランプは、1個あたり300円前後で販売されています。DIYや農業施設などで使われることも多いため、ホームセンターでも気軽に購入できます。ただし、直交タイプか自在タイプかを目で見たり、手で動かたりして確認してから購入するよう注意してください。
まとめ
この記事では、足場材のひとつ「単管クランプ」について解説しました。
単管クランプとは、2または3本の単管パイプを交差あるいは平行して緊結するときに使用する緊結金具です。足場現場では、単管足場を組む際に用いられます。単管クランプの穴にパイプを通し、17×21のサイズのラチェットレンチでナットを締めて固定します。
クランプの種類は3種類あり、メインで使用するのは90°にパイプを交差させられる直交クランプです。1個あたり300円前後で手に入ります。
ただし、単管クランプはまとめて購入することの多い資材ですから、直交クランプ・自在クランプ・3連クランプ(直交・自在タイプ)のどれをいくつ使いたいのか、よく確認してから購入するようにしましょう。