近年の足場材は、安全性・耐久性・作業性を考慮し、さまざまな進化を遂げています。今回はニュースタンダードな足場材のひとつ、「コンポーズパイプ」について徹底解説。ご自身の現場に導入できるかどうか、考えながらご一読ください。
足場材のコンポーズパイプとは
「コンポーズパイプ※」とは、独自の連続引抜成形法で生産される「FRP(繊維強化プラスチック)パイプ」のことです。 軽量で耐久性に富み、電気絶縁性に優れているとして、近年需要が高まっています。
特に重宝されているのは、鉄道や電力関係の現場です。従来これらの現場では、感電防止のために木材丸太で足場を組まざるを得ませんでしたが、コンポーズパイプが登場したことにより、安全性や作業性、足場自体の耐久性が飛躍的に上がりました。
現在首都圏での電力用鉄塔作業にはFRP足場材を使用するのが主流になっています。
コンポーズパイプは、鉄道や電力関係の足場材としてだけでなく、一般建築物などの足場材、農業用資材(園芸用、防獣柵用支柱など)、水産用資材(海苔養殖支柱、養殖筏、生簀枠など)としても使用されています。
組立や解体、荷扱いの作業時間を短縮できるため、バタ材として使用されることもあります。
※「コンポーズ」は、宇部エクシモ株式会社の登録商標です。
足場材のコンポーズパイプの特徴
コンポーズパイプの特徴は以下のとおりです。
- きわめて軽量
- 丈夫で長持ち
- 安全で作業性に優れる
- 電気を通さないため感電の心配がない
- 電気火花が発生しない
- 電波や磁力を透過する
- 腐食の心配がない
- 騒音の心配がない
上記の特徴について、ひとつずつ解説していきます。
きわめて軽量
足場材によく使われている単管パイプの重量と比較すると、コンポーズパイプの重量は約2/3以下。非常に軽量に設計されているため、組み立てや解体、荷揚げといった作業時間の大幅な短縮が期待できます。
また資材の軽量化により、運搬費の大幅な節減や、積載重量の低下によるCO2の削減も可能になります。
丈夫で長持ち
コンポーズパイプは表面の特殊樹脂加工により耐久性が高く設計されています。また単管と違って雨や海水によるサビ・腐食の心配もないため、経年劣化が少なくて済みます。さらには仮設工業会の認定を受けている部材なので、作業中の強度も問題ありません。
安全で作業性に優れる
コンポーズパイプは表面が特殊樹脂で覆われているうえ、滑り止めが施されています。単管パイプのようにツルツルとした表面ではないので、手を滑らせる心配がありません。また持ちやすい素材のため、作業性も上がります。
電気を通さない
コンポーズパイプは「電気絶縁体」という特長を持っています。感電の心配がないため、送電線の足場材としても利用することができます。
※降雨などでパイプ表面に水が溜まった状態になると、水分を介して著しく絶縁性能が低下します。ご注意ください。
電気火花が発生しない
コンポーズパイプは金属と接触しても電気花火が発生しない素材のため、火災発生等の心配がありません。
電波や磁力を透過する
コンポーズパイプは電波や磁力を透過するため、電波塔の足場材等にも最適です。
騒音の心配がない
コンポーズパイプは表面が特殊樹脂で覆われているため、積み下ろし・組み立て・解体時の音が小さくて済みます。市街地や夜間等の作業でも騒音の心配がありません。
足場材のコンポーズパイプの価格相場
コンポーズパイプの価格は、要問合せとなっています。新品のご購入を検討される方は、直接メーカーにお問い合わせください。
お問い合わせ先>>宇部エクシモ株式会社
まとめ
今回は、足場材のひとつ「コンポーズパイプ」の特徴や価格相場を解説しました。コンポーズパイプとは、独自の連続引抜成形法で生産される「FRP(繊維強化プラスチック)パイプ」のことです。 軽量で耐久性に富み、電気絶縁性に優れているとして、近年需要が高まっています。
時代の流れとともに、日々進化を遂げる足場材。「費用がかかるから」「使い方を覚えるのが面倒だから」と言って、導入しないでいるのはもったいないことです。新しい足場材を導入した方が、リスクやコストが下がる可能性もあります。
会社のためにも、そして職人の安全のためにも、ぜひ導入を検討してみてください。