足場工事の資材・用語解説

足場材「キャットウォーク」とは?施工方法や価格相場、設置基準、積載荷重など紹介

砂防工事などに使われるキャットウォークですが、その施工方法、価格相場、設置基準、積載荷重をご紹介します。

キャットウォークとは?

足場におけるキャットウォークとは、型枠の上部に器具を取付け、逆三角形に組んだ鉄パイプと作業床で造られた通路のことです。

部材自体はブラケットを使用します。擁壁工事用ブラケットや、垂直傾斜面用足場ブラケットと呼ぶこともあります。

コンクリートを打設する工事などで使われ、吊り橋を架けるときのケーブル用通路もキャットウォークと呼ばれます。

本来は、名前の通り猫の通り道のことを指してましたが、高所に使われる通路のことをキャットウォークと呼ぶようになりました。

キャットウォークは、あらゆる勾配に対応出来るという点が特徴です。防波堤の工事や橋梁工事など、さまざまな工事で活躍しています。

施工方法

キャットウォークの組み方は、各メーカーの仕様に基づいて施工します。

基本的な組み方は以下の通りです。

  1. ボルトを外し、各部品を解体
  2. 手摺柱のパイプを固定
  3. 吊金具の取付
  4. 斜材と垂直材を固定
  5. ボルト、ナット締め
  6. バタ角取付、作業床を設置
  7. 手摺のパイプを設置

参考:松本鋼機

注意点

  • レンタルの場合、組み立てた状態で返却すると解体費用が発生しますので、解体してから返却して下さい。
  • ボルトの締め付けをしっかり行い、作業床のカブリに注意して取り付けて下さい。
  • 足場端部の落下防止対策を必ず行って下さい。
  • 許容荷重以下で使用して下さい。

価格相場

キャットウォークの設置に必要なブラケットの価格相場をご紹介します。

ブラケット1本あたり、およそ12,000円~13,000円です。

価格の相場表は以下の通りです。

名称 長さ 重さ 参考価格
鉄製ブラケット

フックなし

1本

1,000mm 580mm 6.5kg 12,000円
鉄製ブラケット

フックなし

3本セット

1,000mm 580mm 19.5kg 32,000円
鉄製ブラケット

フックあり

1本

1,000mm 580mm 7.5kg 13,000円
鉄製ブラケット

フックあり

3本セット

1,000mm 580mm 22.5kg 34,000円
アルミ製ブラケット

フックなし

1本

1,040mm 650mm 4.3kg 13,000円
アルミ製ブラケット

フックなし

3本セット

1,040mm 650mm 12.9kg 33,500円
アルミ製ブラケット

フックあり

1本

1,040mm 650mm 5.3kg 14,000円
アルミ製ブラケット

フックあり

3本セット

1,040mm 650mm 15.9kg 34,500円

参考:楽天市場、モノタロウ

アルミ製のブラケットの方が重さは軽いですが、鉄製のブラケットに比べて価格が少し高い傾向にあります。

セットで購入すると1本あたりの単価が安くなります。単体では使用できないので、新たにキャットウォークを設置する場合はセットでの購入がおすすめです。

また、フック単体でも販売しており、1個あたり2,000円~2,500円になります。

設置基準

国土交通省の定める砂防工のキャットウォークの設置基準をご紹介します。

5.2 コンクリート工

1.適用

砂防工(本ダム、副ダム、床固、帯工、水叩、側壁、護岸)のコンクリート工に適用する。

(3)足場(キャットウォーク)の適用範囲

1)足場(キャットウォーク)の適用範囲は、型枠の組立、解体用足場を設置する場合とし、基礎地盤より2m上から対象とする。ただし、間詰を施工(本体と同時施工)する場合は、間詰天端より2m上から対象とする。

2)継続工事で間詰、埋戻、水叩等が完成している場合は、その天端より2m上からを対象

とする。

(4)足場(キャットウォーク)延長

足場延長の算出方法は、足場の高さ方向の標準設置間隔を1.8mとして段数を決定し算出する。

〔足場延長算定式〕

La= Aa /1.8

La:足場延長(m)

Aa:足場対象面積(m2)

足場対象面積は垂直投影面積とし、足場の不要となる基礎地盤

より2.0m分は控除するものとする。

1.8:足場の上下据付(垂直)間隔(m)

(注)足場の不要となる基礎地盤とは、平坦(i=1/10以内)が5.0m

以上の箇所(砂防ダム等上・下流基礎、半川施工部基礎、同時打間

詰天端等)、打設ブロック間の下段コンクリート面をいう。

引用:国土交通省

 

  • キャットウォークの適用範囲は基礎地盤より2m上を対象とします。
  • 間詰を施工する場合は間詰天端より2m上から対象とします。
  • 継続工事で間詰などが完成している場合は、その天端より2m上からを対象とします。
  • キャットウォークを延長する場合、標準設置間隔を1.8mとして段数を算出します。
  • 足場を延長する長さは、足場の対象面積を1.8で割った長さとします。

 

積載荷重

キャットウォークの積載荷重ですが、1スパンあたり200kgが一般的です。

もちろんブラケットの仕様や種類によるので、使用するブラケットの耐荷重をご確認下さい。

200kgなので、成人男性2人~3人が限度です。1スパンに4人以上集まるというのは考えにくいですが、覚えておくと思わぬ危険を回避出来るかもしれません。

まとめ

キャットウォークについて解説いたしました。

  • キャットウォークとは、型枠の上部に器具を取付け、逆三角形に組んだ鉄パイプと作業床で造られた通路のことです。
  • 擁壁工事用ブラケットや、垂直傾斜面用足場ブラケットと呼ぶこともあります。
  • キャットウォークの組み方は、各メーカーの仕様に基づいて施工して下さい。
  • 施工時は、ボルトの締め付けをしっかり行い、作業床のカブリに注意し、落下防止対策を行って下さい。
  • ブラケット1本あたり、およそ12,000円~13,000円で、フックは2,000円~2,500円です。
  • キャットウォークを延長する場合、標準設置間隔を1.8mとして段数を算出し、足場を延長する長さは、足場の対象面積を1.8で割った長さとします。
  • キャットウォークの積載荷重は、1スパンあたり200kgが一般的です。

キャットウォークの施工方法、価格相場、積載荷重などを理解し、足場工事に役立てて下さい。