砂防工事などに使われるキャットウォークですが、その施工方法、価格相場、設置基準、積載荷重をご紹介します。
キャットウォークとは?
足場におけるキャットウォークとは、型枠の上部に器具を取付け、逆三角形に組んだ鉄パイプと作業床で造られた通路のことです。
部材自体はブラケットを使用します。擁壁工事用ブラケットや、垂直傾斜面用足場ブラケットと呼ぶこともあります。
コンクリートを打設する工事などで使われ、吊り橋を架けるときのケーブル用通路もキャットウォークと呼ばれます。
本来は、名前の通り猫の通り道のことを指してましたが、高所に使われる通路のことをキャットウォークと呼ぶようになりました。
キャットウォークは、あらゆる勾配に対応出来るという点が特徴です。防波堤の工事や橋梁工事など、さまざまな工事で活躍しています。
施工方法
キャットウォークの組み方は、各メーカーの仕様に基づいて施工します。
基本的な組み方は以下の通りです。
- ボルトを外し、各部品を解体
- 手摺柱のパイプを固定
- 吊金具の取付
- 斜材と垂直材を固定
- ボルト、ナット締め
- バタ角取付、作業床を設置
- 手摺のパイプを設置
参考:松本鋼機
注意点
- レンタルの場合、組み立てた状態で返却すると解体費用が発生しますので、解体してから返却して下さい。
- ボルトの締め付けをしっかり行い、作業床のカブリに注意して取り付けて下さい。
- 足場端部の落下防止対策を必ず行って下さい。
- 許容荷重以下で使用して下さい。
価格相場
キャットウォークの設置に必要なブラケットの価格相場をご紹介します。
ブラケット1本あたり、およそ12,000円~13,000円です。
価格の相場表は以下の通りです。
名称 | 長さ | 幅 | 重さ | 参考価格 |
鉄製ブラケット
フックなし 1本 |
1,000mm | 580mm | 6.5kg | 12,000円 |
鉄製ブラケット
フックなし 3本セット |
1,000mm | 580mm | 19.5kg | 32,000円 |
鉄製ブラケット
フックあり 1本 |
1,000mm | 580mm | 7.5kg | 13,000円 |
鉄製ブラケット
フックあり 3本セット |
1,000mm | 580mm | 22.5kg | 34,000円 |
アルミ製ブラケット
フックなし 1本 |
1,040mm | 650mm | 4.3kg | 13,000円 |
アルミ製ブラケット
フックなし 3本セット |
1,040mm | 650mm | 12.9kg | 33,500円 |
アルミ製ブラケット
フックあり 1本 |
1,040mm | 650mm | 5.3kg | 14,000円 |
アルミ製ブラケット
フックあり 3本セット |
1,040mm | 650mm | 15.9kg | 34,500円 |
参考:楽天市場、モノタロウ
アルミ製のブラケットの方が重さは軽いですが、鉄製のブラケットに比べて価格が少し高い傾向にあります。
セットで購入すると1本あたりの単価が安くなります。単体では使用できないので、新たにキャットウォークを設置する場合はセットでの購入がおすすめです。
また、フック単体でも販売しており、1個あたり2,000円~2,500円になります。
設置基準
国土交通省の定める砂防工のキャットウォークの設置基準をご紹介します。
5.2 コンクリート工
1.適用
砂防工(本ダム、副ダム、床固、帯工、水叩、側壁、護岸)のコンクリート工に適用する。
(3)足場(キャットウォーク)の適用範囲
1)足場(キャットウォーク)の適用範囲は、型枠の組立、解体用足場を設置する場合とし、基礎地盤より2m上から対象とする。ただし、間詰を施工(本体と同時施工)する場合は、間詰天端より2m上から対象とする。
2)継続工事で間詰、埋戻、水叩等が完成している場合は、その天端より2m上からを対象
とする。
(4)足場(キャットウォーク)延長
足場延長の算出方法は、足場の高さ方向の標準設置間隔を1.8mとして段数を決定し算出する。
〔足場延長算定式〕
La= Aa /1.8
La:足場延長(m)
Aa:足場対象面積(m2)
足場対象面積は垂直投影面積とし、足場の不要となる基礎地盤
より2.0m分は控除するものとする。
1.8:足場の上下据付(垂直)間隔(m)
(注)足場の不要となる基礎地盤とは、平坦(i=1/10以内)が5.0m
以上の箇所(砂防ダム等上・下流基礎、半川施工部基礎、同時打間
詰天端等)、打設ブロック間の下段コンクリート面をいう。
引用:国土交通省
- キャットウォークの適用範囲は基礎地盤より2m上を対象とします。
- 間詰を施工する場合は間詰天端より2m上から対象とします。
- 継続工事で間詰などが完成している場合は、その天端より2m上からを対象とします。
- キャットウォークを延長する場合、標準設置間隔を1.8mとして段数を算出します。
- 足場を延長する長さは、足場の対象面積を1.8で割った長さとします。
積載荷重
キャットウォークの積載荷重ですが、1スパンあたり200kgが一般的です。
もちろんブラケットの仕様や種類によるので、使用するブラケットの耐荷重をご確認下さい。
200kgなので、成人男性2人~3人が限度です。1スパンに4人以上集まるというのは考えにくいですが、覚えておくと思わぬ危険を回避出来るかもしれません。
まとめ
キャットウォークについて解説いたしました。
- キャットウォークとは、型枠の上部に器具を取付け、逆三角形に組んだ鉄パイプと作業床で造られた通路のことです。
- 擁壁工事用ブラケットや、垂直傾斜面用足場ブラケットと呼ぶこともあります。
- キャットウォークの組み方は、各メーカーの仕様に基づいて施工して下さい。
- 施工時は、ボルトの締め付けをしっかり行い、作業床のカブリに注意し、落下防止対策を行って下さい。
- ブラケット1本あたり、およそ12,000円~13,000円で、フックは2,000円~2,500円です。
- キャットウォークを延長する場合、標準設置間隔を1.8mとして段数を算出し、足場を延長する長さは、足場の対象面積を1.8で割った長さとします。
- キャットウォークの積載荷重は、1スパンあたり200kgが一般的です。
キャットウォークの施工方法、価格相場、積載荷重などを理解し、足場工事に役立てて下さい。