足場工事の資材・用語解説

足場材の「アンチ」とは?サイズ・重さ・価格等も解説!

インターネットやテレビ等でよく耳にする「アンチ」という言葉。建築業界では意味が違います!みなさんは「足場材のアンチ」について、正しく説明できますか?この記事では、「足場材のアンチ」について、「何に使うのか」「サイズ・重さ・価格等はどのくらいが目安か」を解説していきます。これを読めば、足場材のアンチについてはっきり理解できるでしょう。

足場材のアンチとは?

「足場材のアンチ」とは、足場内の作業用通路として使われる床板のことで、布板(ぬのいた)とも呼ばれます。通常、高所作業を行うときは、単管パイプを組み上げて足場を作りますが、パイプだけではツルツル滑って不安定。そこで、単管パイプにアンチを掛けて通路を作ることで、安全に作業を行えるようにしています。

ちなみに、アンチという名前の由来は「アンチスリップメタル」です。小さな穴が空いた鋼板に凹凸の加工を施すことで、滑りにくさを実現しています。

アンチ・足場板・踏板の違い

混同されがちですが、「アンチ」「足場板」「踏板」はすべて異なる資材です。

足場の床板であることはどれも同じですが、作りが異なっていることを頭に入れておきましょう。

アンチ

先述のとおりアンチは、凹凸加工と小さな穴が空いている床板で、パイプに引っ掛けるフックが付いています。高層建築工事などで使われる「枠組み足場用」として使用されるため、重量があり頑強な作りになっています。また、高所で風にあおられないようにするために穴を開け、通気性を確保しています。

足場板

足場板は、引っ掛けるフックの付いていない板状の床板です。主流は、スチール製やアルミ製のものですが、合板や杉板が使われる場合もあります。特に神社の改修や国宝級建造物の修繕などでは、金属製資材を組めないケースが多いため、丸太で足場を組み、木製の足場板を使用します。

踏板

踏板は、メッシュ状に穴が空いた床板で、パイプに引っ掛けるフックが付いています。メッシュ状なので通気性がよく、雨水などが溜まる心配がありません。また軽量なので楽に持ち上げられます。比較的狭い場所で使われる「一側足場用」として使用されるのが一般的です。

足場材のアンチのサイズと注意点

足場材のアンチは、幅と長さが決められています。よく使用されるのは、「ヨンマル」と呼ばれる40cm幅のアンチと、「ゴーマル」と呼ばれる50cm幅のアンチです。

この2種類のアンチの中でも、主流は「ヨンマル」でしたが、足場からの墜落を防ぐために施行された改正労働安全衛生規則により、最近では「ゴーマル」も多く使われるようになっています。

足場材のアンチのサイズで注意したいのは、インチ規格とメートル規格の2サイズあることです。

「枠組み足場」は元々欧米から入ってきた技術なので、基本的にはアンチも、欧米で主流のインチ規格を用いることが多いです。しかし、数字のキリがよいメートル規格のものを使う場合もあります。アンチを用いる際はどちらの規格で足場を組むのか、事前によく確認しておくようにしましょう。

足場材のアンチの重さ

アンチは高所の足場で用いられるため、頑強かつ重くできています。重量は、サイズやメーカーによっても異なりますが、1枚あたり10~16kgほどです。以下は日鉄建材株式会社の50cm幅のアンチの重量等の一例です。ぜひ参考にしてみてください。

品番

長さL(mm) 鋼板厚さ(mm) 幅W(mm)

重量(Kg)

SKN-6R

1,829 1.2 500 16.2

SKN-5R

1,524 1.2 500 13.9
SKN-4R 1,219 1.2 500

11.6

SKN-3R

914 1.2 500

9.3

SKN-2R 610 1.2 500

6.9

(引用:日鉄建材株式会社

足場材のアンチの価格

足場材のアンチの市場価格は、1枚あたり4,000~13,000円です。光洋機械産業、ピカコーポレイション、アルインコ、長谷川工業などが有名メーカーなので、気になる方は公式サイトなどを調べ、比較してみてください。

まとめ

この記事では、以下の点について解説しました。

  • 足場材のアンチとは何か
  • アンチ・足場板・踏板の違い
  • 足場材のアンチのサイズ
  • 足場材のアンチの重さや価格

足場材のアンチとは、足場内の作業用通路として使われる床板のことで、凹凸加工、小さな丸い穴、パイプに引っ掛けるフックが付いているのが特徴です。高層建築工事などで使われる「枠組み足場用」として使用されるため、重量があり頑強な造りになっています。

アンチのサイズは、規格により定められており、40cm幅か50cm幅のものを使用するのが一般的です。ただし、インチ規格とメートル規格のものがあるので注意して使用しましょう。

アンチの重さと価格は、アンチのサイズやメーカーによって異なります。購入等の際は、いろいろなメーカーのものを見比べたうえで現場にもっともふさわしいものを選択するようにしましょう。