足場のスタンションとはどのようなものか、種類や使い方、価格相場まで徹底解説いたします。
足場のスタンションとは?
足場のスタンションとは、通路や作業床の開口部などの墜落の恐れのある場所に設置し、墜落を回避する防護工のことです。
ガードポストと呼ばれることもあります。
床スラブやバルコニーなどの縁に間隔をあけて取り付け、防護柵を設置します。
工場などのケーブルラックなどの布設、仮設ボックス設置、仮設手すりの支柱など、用途はさまざまです。
ロープを張って親綱とする場合、専用の親綱支柱を使います。親綱支柱として使用できませんので注意して下さい。
ガードポストの認定基準
本基準の「ガードポスト」は、墜落防護のため上桟(手すり)及び中桟を取り付けるための束柱のことをいうもので、安全帯取付設備の親綱支柱としての性能を保証するものではない。
また、本基準はガードポストが上桟、中桟又は幅木等と溶接加工等により構造的に一体となった墜落防護工については適用しない。
引用:仮設工業会
スタンションの種類
スタンションは、設置個所により第一種、第二種と分かれており、それぞれ耐久力や形状に違いがあります。
第一種
床の上面より、上桟の上面までの高さが95cm以上のものです。
主に、荷揚げ用開口部、荷揚げ構台、仮設階段の踊り場、トラック桟橋、土留め壁上部に設置します。
NRE型、S型、H型などがあり、第二種よりも耐久力があります。
NRE型とは、設置部が水平になっているのに対し、垂直につかむように取り付けるタイプのことです。
S型よりも締め付けの厚さが広いです。
S型とは、設置部が水平になっているのに対し、垂直につかむように取り付けるタイプのことです。
NRE型よりも締め付けの厚さが狭いです。
H型とは、設置部が垂直になっているのに対し、水平につかむように取り付けるタイプのことです。
認定基準として、85kgの荷重をかけてもすべらず、たわみは100mm以下、160kgの荷重で破壊されないなどがあります。
第二種
床の上面より上桟の上面までの高さが90cm以上のものです。
第一種以外の場所に設置します。
第一種よりも耐久力がありません。
認定基準として、40kgの荷重をかけてもすべらず、たわみは100mm以下、100kgの荷重で破壊されないなどがあります。
スタンションの使い方
スタンションは、労働安全衛生規則に従い、以下の通り使用して下さい。
- スタンションの取付間隔2m以下の箇所に取り付けます。
- スタンションが、ねじれ、転倒、浮き上りの生じない堅固な箇所に取り付けます。
- 物体の落下により作業者に危険を及ぼすおそれのあるときは、スタンションを取り付けた周囲に、高さ10cm以上の幅木又は同等以上の機能を有する設備を設置します。
- 作業者の衣服等が、歩行者や作業者に巻き込まれないように、スタンションの手すり及び中桟の取付部等の突起物にはカバーを設置します。
注意点
スタンションを使用する場合、以下の点に注意して下さい。
- スタンションに取り付ける手すり及び中桟は、ロープ等のようなたわむものは使用しないで下さい。
- スタンション本体及びスタンションに設けた手すり及び中桟を安全帯取付設備として使用しないで下さい。
- スタンション本体及びスタンションに設けた手すり及び中桟を壁つなぎ、足場板等の支持点又は資材荷揚げのつり元として使用しないで下さい。
- スタンションに設けた手すり及び中桟には乗らないようにして下さい。
- スタンションに設けた手すり及び中桟への材料等の積載、つり下げ又は立て掛けを行わないで下さい。
- スタンションの締め付けしろ及び形状ごとに適正な機種を使用して下さい。
- 締り具合を定期的に点検して下さい。
スタンションの価格相場
スタンションの価格相場を紹介します。
スチール製スタンション
皿バネ付きのボルト2本で鉄骨をつかむ構造です。使用は平行専用型で、主な材質はスチールです。
高さ:980mm
重さ:6.8kg
参考価格:37,400円
亜鉛メッキスタンション
皿バネ付きのボルト2本で鉄骨をつかむ構造です。亜鉛メッキが施されており、錆に強いです。
高さ:1,020mm
重さ:7.6kg
参考価格:39,000円
アルミ製スタンション
支柱がアルミで出来ており、錆に強いです。
高さ:1,080mm
重さ:7.6kg
参考価格:61,600円
鉄骨橋梁用スタンション 20本セット
亜鉛メッキで錆に強くし、斜めタイプの支柱で兼用型です。こちらは20本からの販売です。
高さ:1,092mm
重さ:8.8kg
参考価格:600,000円
参考:モノタロウ、楽天市場
一般的に1本あたり30,000円~60,000円でした。セットで購入すると少し安くなる傾向です。
アルミ製のスタンションはアルミを多く使用している分単価が高くなりますが、錆に強いです。
アルミの比重は鉄の3分の1程度ですが、メインの部分は鉄で出来ているため、目立って軽いというわけではありませんでした。
まとめ
スタンションの種類、使い方、注意点、価格相場について解説いたしました。
- スタンションとは、通路や作業床の開口部などの墜落の恐れのある場所に設置し、墜落を回避する防護工のことです。
- 親綱支柱として使用できませんので注意して下さい。
- スタンションは、設置個所により第一種、第二種と分かれています
- 第一種は、床の上面より上桟の上面までの高さが95cm以上のもので、荷揚げ用開口部、荷揚げ構台、仮設階段の踊り場、トラック桟橋、土留め壁上部に設置します。
- 第二種は、床の上面より上桟の上面までの高さが90cm以上のもので、第一種以外の場所に設置します。
- スタンションは労働衛生安全法を遵守して使用して下さい。
- スタンションの価格相場は種類によって異なり、1本あたり30,000円~60,000円です。
スタンションの種類や価格相場を理解し、足場工事に役立てて下さい。