足場工事の資材・用語解説

【用語解説】プラワンロック(足場板固定金具)とは?特徴や役割は?

足場板の固定の仕方として、番線で巻きつける場合や、ゴムバンドを使用する場合などさまざまです。

中でも、ワンタッチかつ長い間使いまわせるプラワンロックをご存じでしょうか。

本記事では、プラワンロックの特徴や役割などについて解説いたします。

プラワンロック(足場板固定金具)とは?

プラワンロックとは、足場板がズレないように固定するための金具のことです。

楔式緊結足場などの足場板を使用するタイプの足場では、作業員が上を歩く度に足場板が横にズレて隙間ができる場合があります。

隙間ができてしまうと、そこから物を落としたり、作業員がつまづいて転倒する恐れがあります。

そのようなことを防ぐために安全上、足場板がズレないようにプラワンロックなどで固定する必要があります。

足場板を固定する必要性

足場板を固定し、隙間が生じないようにする工夫は必要です。

足場板と足場板、足場板と建地の隙間に関しては労働安全衛生法で定められています。

(作業床)

第五百六十三条 事業者は、足場(一側足場を除く。第三号において同じ。)における高さ二メートル以上の作業場所には、次に定めるところにより、作業床を設けなければならない。

二 つり足場の場合を除き、幅、床材間の隙間及び床材と建地との隙間は、次に定めるところによること。

イ 幅は、四十センチメートル以上とすること。

ロ 床材間の隙間は、三センチメートル以下とすること。

ハ 床材と建地との隙間は、十二センチメートル未満とすること。

引用:e-gov

このように、足場板間の隙間は3cm以下、足場板と建地の隙間は12cm未満と記されています。

また、平成27年7月1日から施行された労働安全衛生規則の改正の件で、厚生労働省からの「足場からの墜落防止のための措置を強化します」という通達では、以下のように記されています。

4 足場の作業床に関する墜落防止措置の充実

<留意点>

①床材が片側に寄ることで12cm以上の隙間が生じる場合には、床材と建地との隙間の要件

を満たさないため、床材の組み合わせを工夫する、小幅の板材を敷く、床材がずれない

ように固定する、床付き幅木を設置するなどにより、常にこの要件を満たすようにする

必要があります。

②床材と建地との隙間に、垂直または傾けて設置した幅木は、作業床としての機能を

果たせないため、この幅木の有無を考慮せずに、床材と建地との隙間を12cm未満

する必要があります。なお、床付き幅木の場合、床面側の部材は床材になります。

引用:厚生労働省

「床材がずれないように固定する」と明記されており、足場板を固定する必要があるということがわかります。

プラワンロック(足場板固定金具)の特徴

足場板を固定する理由については解説した通りですが、足場を組み立てる工程が増えて手間になります。

しかし、プラワンロックを使えば少しの作業で足場板を固定することができます。

2枚の足場板の隙間にプラワンロックを挟み、単管をつかんでインパクトレンチで締めるだけです。

また、プラワンロックは番線レスシステムと謳って販売されています。

番線を使用する場合、手で縛った後にシノという工具を使用して固く締める必要がありますが、その必要はありません。

外す時もインパクトレンチで緩めるだけで簡単に取り外すことができます。

なによりも、番線やゴムバンドと違って長い間使いまわすことができます。

種類は、250mm足場板に対応するプラワンロック、240mm足場板に対応するプラワンロックの2種類に、それぞれ上部固定とものと下部固定のものがあります。

長さや重さは以下の通りです。

規格 長さ 重さ
プラワンロック250(上部固定) 515mm 1.2kg
プラワンロック240(上部固定) 495mm 1.2kg
プラワンロック250(下部固定) 515mm 1.25kg
プラワンロック240(下部固定) 495mm 1.25kg

プラワンロック(足場板固定金具)の値段

プラワンロックの値段ですが、2本1セットで15,000円~19,000円ほどで販売されています。

番線やゴムバントと比べるとやや高いですが、ワンタッチで脱着可能な点と、長い間使いまわせるという点を考えると、コストパフォーマンスは良いかもしれません。

まとめ

プラワンロック(足場板固定金具)の特徴や役割について解説いたしました。

  • プラワンロックとは、足場板がズレないように固定するための金具のことです。
  • 労働安全衛生法では、足場板間の隙間は3cm以下、足場板と建地の隙間は12cm未満と記されています。
  • プラワンロックは、2枚の足場板の隙間にプラワンロックを挟み、単管をつかんでインパクトレンチで締めるだけなので、簡単に脱着することができます。
  • プラワンロックは、番線やゴムバンドと違って長い間使いまわすことができます。
  • プラワンロックの種類は、250mm足場板に対応するプラワンロック、240mm足場板に対応するプラワンロックの2種類に、それぞれ上部固定とものと下部固定のものがあります。
  • プラワンロックは、2本1セットで15,000円~19,000円ほどで販売されています。

プラワンロックの特徴や役割を理解して足場工事に役立ててください。