コンクリート打設工事に使用される足場用敷き網(メッシュウォーク)。
本記事ではその特徴や役割を解説いたします。
足場用敷き網(メッシュウォーク)とは?
足場用敷き網(メッシュウォーク)とは、スラブ配筋上の敷き網のことです。
敷き網を敷くことで、歩きにくいスラブ配筋の上を通路のように歩くことができます。
鉄製で作られており、幅400mm~500mm、長さ1,800mm~2,000mm程度の大きさで、足場面はクリンプ金網により滑りにくい加工がされているものが一般的です。
2枚で10,000円~15,000円程度で販売されている場合が多いです。
スラブ配筋とは?足場用敷き網(メッシュウォーク)の役割
スラブ配筋とは、鉄筋コンクリート製の床の中に入れる鉄筋のことをいいます。
床をコンクリートで作る際、コンクリートのみだと強度が足りず、へこんだり沈んだりしてしまいます。
そこで、鉄筋を組んだ後にコンクリートを流し込む方法が基本的な鉄筋コンクリートの床の作り方です。
作業員は、組まれた鉄筋の上に乗り、長いホースを持ちながらコンクリートを流し込み続けなければなりません。
鉄筋の上を歩いたり、立ち続けるには足場の面積が小さく、不安定で危険です。
そこで、足場用敷き網を鉄筋の上に設置することで、作業員はその上に乗り、安定した足場で作業することができます。
足場用敷き網(メッシュウォーク)の特徴
続いて、足場用敷き網の特徴について解説します。
クリンプ金網
足場用敷き網には、クリンプ金網により、滑りにくい工夫がされているという特徴があります。
クリンプとは、英語で「波をつける」という意味があります。その名の通り、線状の鉄に波をつけ、縦線と横線をはさみ合わせた構造になっています。
縦線と横線は、先端から末端まで強固に組み合わさっているため、上を歩いた時にズレるということはありません。
クリンプ金網により、作業員は安心して配筋上を歩くことができます。
軽量薄型
足場用敷き網は、軽量薄型に設計されており、持ち運ぶのが楽という特徴もあります。
例えば、足場工事で使用する踏板は、1枚あたりの重さは10kg~15kg程度ですが、足場用敷き網の重さは6kg程しかありません。
もちろん、用途が違うので比べるものではありませんが、足場の踏板の半分程度の重さと考えれば、その軽さがイメージできると思います。
軽ければ作業員の負担を軽減できるだけでなく、一度に2枚や3枚持つことができるため、効率良く作業を進めることができます。
工程の多いコンクリート打設作業において、敷き網の重さはとても重要です。
枠部に色が塗られている
また、足場用敷き網の枠部に色が塗られており、通路として目立つように工夫がされているのも特徴のひとつです。
コンクリートを流し込む作業は、ただ流し込めば良いというわけではありません。
材料分離や打ち込み高さ、時間等に留意しながら作業する必要があります。
コンクリートは密度の違う材料を混ぜて造られた混合物です。そのため、骨材は沈み、モルタルは浮き上がろうとし、振動を与えれば流動してしまいます。
この流動によって、材料分離を引き起こし、ひび割れ等の原因になってしまいます。
また、生コンクリートは、「練り混ぜから打ち込み終了までの時間」がJIS規定により定められています。
気温が25度以下なら120分以内、25度以上なら90分以内に終わらせなくてはなりません。
このようなことに留意しながら作業しなければならないので、うっかり足場を踏み外し、転倒してしまう危険があります。
そこで、枠部が塗られた足場用敷き網であれば、一目で足場の範囲がわかるため、踏み外しによる転倒の危険を抑えることができます。
荷重を分散
足場用敷き網は、荷重を分散するという特徴もあります。
1箇所に荷重が集中してしまうと、線上の鉄が曲がったり破損したりすることがあります。
しかし、足場用敷き網は、網状になっているため荷重を分散させます。
荷重が集中し、破損するとスラブ配筋を痛めるだけでなく、作業員に危険が生じてしまうので、敷き網の構造はとても重要です。
まとめ
足場用敷き網(メッシュウォーク)の特徴や役割について解説いたしました。
- 足場用敷き網(メッシュウォーク)とは、スラブ配筋上の敷き網のことをいいます。
- 鉄製で作られており、幅400mm~500mm、長さ1,800mm~2,000mm程度の大きさのものが一般的です。
- 足場用敷き網を鉄筋の上に設置することで、作業員はその上に乗り、安定した足場で作業することができます。
- 足場用敷き網には、「クリンプ金網により、滑りにくい工夫がされている」、「軽量薄型に設計されており、持ち運ぶのが楽」、「枠部に色が塗られており、通路として目立つように工夫がされている」、「荷重を分散する構造」という特徴があります。
足場用敷き網の特徴や役割を理解し、工事に役立てて下さい。