足場工事でたまに見かけるメッシュシート。
メッシュシートにはどのような役割があって、どのくらいの値段がするのでしょうか。
足場のメッシュシートについて徹底解説いたします。
足場メッシュシートの役割
メッシュシートは、飛来による危険を防止するために設置されます。
足場工事の作業中、作業床から工具が落ちたり、屋根から部品が転がり落ちる可能性があります。
そのため、作業員や現場周辺の安全を守るために防網の設備を設置しなければなりません。
労働安全衛生規則により定められています。
(物体の落下による危険の防止)
第五百三十七条 事業者は、作業のため物体が落下することにより、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、防網の設備を設け、立入区域を設定する等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。
第五百六十三条
六 作業のため物体が落下することにより、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、高さ十センチメートル以上の幅木、メッシュシート若しくは防網又はこれらと同等以上の機能を有する設備(以下「幅木等」という。)を設けること。ただし、第三号の規定に基づき設けた設備が幅木等と同等以上の機能を有する場合又は作業の性質上幅木等を設けることが著しく困難な場合若しくは作業の必要上臨時に幅木等を取り外す場合において、立入区域を設定したときは、この限りでない。
引用:中央労働災害防止協会
「高さ十センチメートルの幅木、メッシュシート若しくは防網又はこれらと同等以上の機能を有する設備」とありますので、メッシュシートを必ず張らなければならないということではありません。
落下防止の対策はしなければなりませんが、その措置の1つとしてメッシュシートが挙げられるということです。
足場メッシュシートの種類
メッシュシートは、「1類」と「2類」の2種類に分かれており、その違いは役割と強度にあります。
1類
役割:飛来落下物による危害防止。メッシュシート単体で使用
強度:引張強度68.6KN以上で、重量4.8kgの鋼管を4mの高さから落としても貫通させない
2類
役割:改修工事、一戸建て向けの危害防止。金網とメッシュシートを併せて使う
強度:引張強度0.59KN以上で、重量2.7kgの鋼管を3mの高さから落としても貫通させない
日本産業規格(JIS)の認定基準
産業標準化法に基づいた日本の国家標準の1つであるJISでは、次のように定められています。
適用範囲 この規格は,繊維製の織編生地を主材として作った帆布製シート及び網地製シート(以下,メッシュシートという。)による建築工事用シート(以下,シートという。)について規定する。
種類 シートの種類は,次のとおりとする。
1類:シートだけで落下物による危害防止に使用されるもの。
2類:シートと金網を併用し,落下物による危害防止に使用されるもの。
引用:kikakurui
一戸建ての改修工事に使うメッシュシートを大規模な建設工事に使用すると強度不足で危険です。
反対に、大規模な建設工事で使うメッシュシートを、一戸建ての改修工事に使うにはオーバースペックになってしまいます。
なので、適材適所に使用出来るように種類が分かれています。
足場メッシュシートの値段
メッシュシートの値段は大きさ、種類等によって様々です。
下の表では、独自に調べた参考の値段です。値段のイメージを少しでも掴んでいただければと思います。
値段参考表(1類)
メッシュシート1類、税別の値段参考表です。大きさによって細かく値段が分かれます。
幅 50~90cm | 幅 91~180cm | 幅 181~270cm | 幅 271~360cm | 幅 361~450cm | 幅 451~540cm | 幅 541~630cm | |
丈 50~100cm | 4,000円 | 5,000円 | 7,600円 | 8,500円 | 11,400円 | 12,400円 | 14,500円 |
丈 101~150cm | 5,300円 | 6,900円 | 10,900円 | 12,000円 | 16,100円 | 17,600円 | 20,600円 |
丈 151~200cm | 6,800円 | 8,700円 | 13,800円 | 15,400円 | 20,900円 | 22,700円 | 26,600円 |
丈 201~250cm | 8,000円 | 10,500円 | 16,600円 | 18,800円 | 25,500円 | 28,300円 | 33,200円 |
丈 251~300cm | 9,500円 | 12,300円 | 19,600円 | 22,300円 | 30,800円 | 33,400円 | 39,200円 |
丈 301~350cm | 11,000円 | 14,000円 | 22,700円 | 25,700円 | 35,400円 | 38,500円 | 45,300円 |
丈 351~400cm | 12,300円 | 15,800円 | 25,700円 | 29,600円 | 40,200円 | 43,600円 | 51,400円 |
丈 401~450cm | 13,800円 | 17,600円 | 28,700円 | 33,000円 | 44,900円 | 48,800円 | 57,500円 |
丈 451~500cm | 15,000円 | 19,500円 | 32,100円 | 36,500円 | 49,800円 | 53,800円 | 63,600円 |
参考:モノタロウ、楽天市場
値段参考表(2類)
メッシュシート2類、税別の値段参考表です。1類の半額程度の値段であることがわかります。
幅 50~90cm | 幅 91~180cm | 幅 181~270cm | 幅 271~360cm | 幅 361~450cm | 幅 451~540cm | 幅 541~630cm | |
丈 50~100cm | 2,700円 | 3,400円 | 4,900円 | 5,500円 | 7,200円 | 7,600円 | 8,900円 |
丈 101~150cm | 3,500円 | 4,500円 | 6,700円 | 7,600円 | 9,900円 | 10,600円 | 12,400円 |
丈 151~200cm | 4,400円 | 5,600円 | 8,400円 | 9,500円 | 12,600円 | 13,500円 | 15,900円 |
丈 201~250cm | 5,200円 | 6,600円 | 10,200円 | 11,400円 | 15,400円 | 16,600円 | 19,400円 |
丈 251~300cm | 5,900円 | 7,700円 | 11,900円 | 13,400円 | 18,000円 | 19,500円 | 23,000円 |
丈 301~350cm | 6,800円 | 8,800円 | 13,600円 | 15,400円 | 20,600円 | 22,500円 | 26,500円 |
丈 351~400cm | 7,500円 | 9,800円 | 15,300円 | 17,400円 | 23,500円 | 25,500円 | 30,000円 |
丈 401~450cm | 8,400円 | 10,800円 | 17,000円 | 19,500円 | 26,200円 | 28,400円 | 33,500円 |
丈 451~500cm | 9,100円 | 11,900円 | 18,800円 | 21,400円 | 28,900円 | 31,400円 | 37,000円 |
参考:モノタロウ、楽天市場
使用上の注意
メッシュシートを使用する際は、とにかく風に注意して下さい。
使用目的によってメッシュシートの大きさや強度がそれぞれ違いますが、出来るだけ風通しの良いメッシュシートを使って下さい。
強風により足場が倒壊するリスクを最小限に抑えるには、メッシュシートの通気性が重要になってきます。
その他にも、足場とメッシュシートを隙間なく緊結することも重要です。強風時、隙間から風が入り、シートが膨れ上がり倒壊の原因になります。
倒壊の原因を防ぐと共に、隙間から飛来物の落下を防ぐことにも繋がりますので、隙間が開かないようにご注意下さい。
また、台風などの強風が来ることを事前に分かっているのであれば、メッシュシートを鋼管に縛る、または畳む等の風対策をして下さい。
まとめ
足場のメッシュシートの役割や値段、注意点をご紹介いたしました。
- メッシュシートは、飛来落下物による危険を防ぐ役割があります
- メッシュシートは1類、2類の2種類に分けられます
- 1類は強度が強く、大きな工事などで単体で使われます
- 2類は金網と併せて使い、一戸建ての改修工事等に使われます
- メッシュシートの値段は大きさや種類によってさまざまです
- 1類は小さいもので4,000円、大きいもので63,600円前後です
- 2類は小さいもので2,700円、大きいもので37,000円前後です
- メッシュシートを扱う時は強風で足場が倒壊しないように通気性の良いものを選び、事前に強風が来ることが分かっている時は鋼管に縛る等の対策を行なって下さい。
メッシュシートの役割や値段を理解し、足場工事に役立てて下さい。