足場工事の資材・用語解説

「足場用キャスター」とは?使い方・種類・価格相場などを徹底解説

「足場用キャスター」とは何か、ご存じですか?この記事では、足場用キャスターが何か知らない方も、すでに知っている方も役に立つ、足場用キャスターの情報をお届けします。使い方や種類、選び方、価格相場まで網羅できる内容になっていますので、ぜひご覧ください。

足場用キャスターとは

「足場用キャスター」とは、移動式足場(ローリングタワー)または高所作業台の足元に付ける車輪状の部材のことです。足場用キャスターをつけると、重い足場を簡単に移動させることができます。

これにより、作業内容や作業場所を変える度に足場を崩し、再度組み上げる手間が省けます。また、車輪を固定したらすぐに作業に着手でき便利です。

足場用キャスターがついた足場は主に、ビル2階建てほどの高さで使われます。天井配管・空調器・照明器などの設備工事や、塗装工事などの際に活用されています。

足場用キャスターの使い方と注意点

足場用キャスターの使い方は簡単です。足場を固定させたいときはストッパーをかけ、足場を移動させたいときはストッパーを解除します。

注意したいのは、ストッパーのかけ忘れ。ストッパーをかけていないと、予想外の瞬間に動いたり、倒れたりする危険性があります。

また、足場を移動させるときにも危険が潜んでいます。地面に凹凸があると、足場用キャスターが上手く回転しなかったり、傾きが生じて足場が倒れたりします。

足場用キャスターは、作業効率を上げる優れものですが、さまざまなリスクもあります。ストッパーの確認と、床の凹凸の確認は絶対に怠らないようにしましょう。

 

足場用キャスターの選び方

足場用キャスターを選ぶ際のポイントは以下のとおりです。

  • 「足場用」と明記されているか
  • タイヤのゴム部分にどんな素材を使用しているか
  • 許容荷重は何kgか
  • ジャッキ付の場合、自在旋回部の動きはなめらかか
  • ストッパーにはどんな機能がついているか
  • 工事の用途に合っているか
  • 社団法人仮設工業会認定品かどうか

メーカーのホームページを見ると、

自在旋回部には滑らかな動きの二層ベアリングを装備

WW車輪(ホワイトジエンゴム)、WUW車輪(抗菌ホワイトウレタン)は床面に車輪の跡がつきにくいので室内使用に最適

(引用:MISUMI-VONA

などといった、部材に対するこだわりが明記されています。メーカーによって、少しずつこだわっている部分が違うので、自分が一番優先したい事項を元に、足場用キャスターを選びましょう。

足場用キャスターの種類

足場用キャスターの種類はさまざまあります。以下ポイントを絞ってご紹介します。

取り付け方の違いで2種類

足場用キャスターは、取り付け方の違いで2種類に分けられます。1種類目は「差し込み式」、2種類目は「ねじ込み式」です。

差し込み式キャスターは、パイプに差し込むだけで使用できる足場用キャスターです。軸径、軸長のサイズによって適切なサイズの製品を選ぶことができます。差し込み式キャスターは、軸の部分の着脱がしやすく便利です。

ねじ込み式キャスターは、ねじ込んで取り付けるタイプの足場用キャスターです。回して取り付ける分、着脱にはやや手間がかかりますが、何かの拍子に外れてしまう心配がありません。したがって、より安全に作業をしたい人には、ねじ込み式キャスターがおすすめです。

ジャッキの有無で2種類

足場用キャスターは、ジャッキの有無で2種類に分けられます

「ジャッキ有」のキャスターなら、足場の高さを調節できます。反対に、「ジャッキ無」のキャスターは、高さ調節ができません。現場や職人の身長に合わせて、多少の高さ調整をしたい場合は、”ジャッキ有”を選択しておくとよいでしょう。

ストッパーの違いで2種類

足場用キャスターは、ストッパーの違いで2種類に分けられます。1種類目は「車輪の回転だけを止める」タイプ、2種類目は「車輪の回転も、旋回(※)も止める」タイプです。

足場用キャスターは、車輪の回転だけを止めるタイプでも十分安全です。しかし車輪の回転も旋回も止めるタイプなら、縦にも横にもぶれなくなります。よりリスクを抑えたいのであれば、後者を選ぶのがよいでしょう。

なお、このタイプは「トータルストッパー」や「ダブルストッパー」と呼ばれています。購入の際は、この言葉表記を探してみてください。

※旋回とは、ある点を中心に円を描くようにまわること

(引用:コトバンク

足場用キャスターの価格相場

足場用キャスターの価格相場は、許容荷重やジャッキの有無、車輪径などにより異なりますが、一般的なものだと5,000円前後/1個が多いです。大きなものや、材質・安全面にこだわったものは、12,000円〜13,000円前後/1個になります。

足場用キャスターは消耗品なので、どれを購入するかは人それぞれですが、足元を支える大事な部材であることを念頭に置いて購入しましょう。

まとめ

この記事では、足場用キャスターの使い方・選び方・種類・価格相場について解説しました。足場用キャスターとは、移動式足場(ローリングタワー)または高所作業台の足元に付ける車輪状の部材のことで、足場を移動したいときはストッパーを解除し、固定させたいときはストッパーをかけて使用します。

選ぶ際は、以下の点を参考にしてください。

  • 「足場用」と明記されているか
  • タイヤのゴム部分にどんな素材を使用しているか
  • 許容荷重は何kgか
  • ジャッキ付の場合、自在旋回部の動きはなめらかか
  • ストッパーにはどんな機能がついているか
  • 工事の用途に合っているか
  • 社団法人仮設工業会認定品かどうか

種類は、取り付け方の違い・ストッパーの違い・ジャッキの有無で2種類ずつ。価格相場は、5,000~13,000円/1個のものが多いです。

足場用キャスターを購入する際は、ぜひこれらのことを念頭に置いて、商品を選んでみてください。あなたにとってより納得のいくものが見つかりますように、心から願っています。