
足場工事における朝顔ですが、設置にどの程度の料金が掛かるのでしょうか。
朝顔の設置単価の相場、占用料金、設置に関する注意点を解説いたします。
朝顔とは?
足場工事におけるシート朝顔とは、作業の際に落下物が地上に落ちて通行人などに被害が出ないようにする防護柵のことです。
上向きに設置されている姿が花の朝顔のように見えるため、そのように呼ばれています。
朝顔の設置料金・相場
設置費用の相場
朝顔の設置費用は以下のような価格帯になります。
設置単価 | 価格(目安) |
---|---|
朝顔設置費用 | 3,000円~6,000円/m |
※使用する材料や地域によって変動 | |
※レンタル費用・運搬費・設置撤去費用を含む |
その他相場
その他の安全対策費用
朝顔以外にも落下物対策として以下の設備があります。
安全対策設備 | 相場 |
飛散防止メッシュシート | 150円/㎡~350円/㎡ |
ラッセルネット | 300円/m~700円/m |
出入口水平養生 | 3,000円/m~3,500円/m |
侵入防止金網養生 | 1,300円/㎡~2,000円/㎡ |
朝顔の占用料金
朝顔を設置する際、公道にはみ出す場合は役所へ占用料金を支払う必要があります。
占用料金は道路の管理者(市区町村・都道府県・国)ごとに異なります。
市区町村道
計算方法は以下の通りです。
占用単価 ✕ 朝顔のはみ出し面積 ÷ 12 ✕ 使用月数 = 占用料金
例えば、港区の市区町村道で朝顔が5㎡はみ出し、3ヶ月占用する場合
20,600円/㎡ ✕ 5㎡ ÷ 12ヶ月 ✕ 3ヶ月 = 25,750円
市区町村名 | 1年あたりの占用単価(円/㎡) |
港区 | 20,600円 |
武蔵野市 | 18,000円 |
三鷹市 | 17,700円 |
千代田区 | 13,360円 |
新宿区・文京区・台東区・豊島区 | 7,600円 |
品川区・江東区・大田区ほか | 7,200円 |
奥多摩町・日の出町・檜原村 | 3,080円 |
という計算になります。
都道
計算方法は以下の通りです。
占用単価 ✕ 朝顔のはみ出し面積 ÷ 12 ✕ 使用する月数 = 占用料金
例えば、港区の都道で朝顔が5㎡はみ出し、3ヶ月占用する場合
38,000円/㎡ ✕ 5㎡ ÷ 12ヶ月 ✕ 3ヶ月 = 47,500円
という計算になります。
市区町村名 | 1年あたりの占用単価 |
港区、千代田区、新宿区、中央区、文京区、台東区、渋谷区、豊島区 | 38,000円/㎡ |
品川区、江東区、大田区、目黒区、世田谷区、中野区、杉並区、北区、板橋区、練馬区、荒川区、足立区、墨田区、葛飾区、江戸川区 | 19,900円/㎡ |
市 | 8,800円/㎡ |
町村 | 2,210円/㎡ |
国道
計算方法は以下の通りです。
占用単価 ✕ 朝顔のはみ出し面積 ✕ 使用する月数 = 占用料金
例えば、東京23区の国道で朝顔が5㎡はみ出し、3ヶ月占用する場合
2,500円/㎡ ✕ 5㎡ ✕ 3ヶ月 = 37,500円
という計算になります。
※国道の場合、年ごとではなく月ごとの単価なのでご注意下さい。
市区町村名 | 1月あたりの占用単価 |
東京23区、町田市、武蔵野市、小金井市、東久留米市、稲城市、三鷹市、府中市、調布市、昭島市、日野市、小平市、東村山市、国分寺市、国立市、狛江市、福生市、東大和市、清瀬市、武蔵村山市、多摩市、羽村市、西東京市 | 2,500円/㎡ |
八王子市、青梅市、あきる野市、瑞穂町 | 430円/㎡ |
日の出町 | 190円/㎡ |
小笠原村 | 96円/㎡ |
檜原村、奥多摩町、大島町、利島村、三宅村、新島村、神津島村、御蔵島村、八丈島、青ヶ島村 | 67円/㎡ |
朝顔設置の注意点
10mごとに1段設置
朝顔は、足場の高さが10m以上だった場合は1段以上、20m以上の場合は2段以上設置しなければなりません。
通常、地上から5m前後の場所に1段目を設置し、そこから10m以内に2段目を設置する場合が多いです。
建設工事等の工事現場における落下物による危害を防止するための措置に関する指導基準
建設工事等の工事を行う部分が、地盤面から10m以上の高さにある場合は、落下物による危害防止上必要な部分の周囲に次の各号に 定めるところにしたがって防護棚を1段以上、建築工事等の工事を行う部分が20m以上の高さにわたる場合には2段以上設けなければならない。
引用元:WIKISOURCE
出幅2m以上、角度20度以上
朝顔の出幅は、水平距離で2m以上、角度20度以上でなければなりません。
角度を付けすぎて水平距離が縮むことに注意して下さい。20度と30度では水平距離に大きな差が生まれます。
建設工事等の工事現場における落下物による危害を防止するための措置に関する指導基準
(2) 防護棚は、次のイ及びロの定める方法によって取り付けなければならない。
イ 骨組の外側から水平距離で2m以上突出させ、水平面となす角度を20度以上とすること。
引用元:WIKISOURCE
占用時期
占用する時期が3月~4月に被る場合は注意が必要です。
通常、占用する月ごとに料金を支払いますが、3月末で年度を締めるのでこの時期は通常より多く支払わなければならない可能性があります。
例えば、占用する期間が2月15日~4月14日だった場合、通常2ヶ月分の占用料金を支払えば良さそうですが、実際は以下の計算になります。
2月15日~3月14日 1ヶ月分
3月15日~3月31日 1ヶ月分
4月1日~4月14日 1ヶ月分
計 3ヶ月分
2ヶ月間しか占用していなくても、3月末を跨ぐ場合は1ヶ月分多く支払わなければならない可能性がありますのでご注意下さい。
まとめ
朝顔の相場や注意点を解説いたしました。
- 朝顔とは、落下物などによる事故を防ぐ防護柵のことです
- 朝顔の設置料金の相場は、期間にもよりますが3,000円~6,000円/mになります
- 朝顔が公道にはみ出してしまう場合、占用料金が必要です
- 東京都の市区町村道、都道、国道の単価を紹介しました
- 朝顔は10mごとに1段設置する必要があります
- 朝顔の出幅は2m以上、20度以上です
- 占用時期が年度末に被る場合は占用料金が変わる場合があるのでご注意下さい
朝顔の設置相場や占用料金を理解して、施工計画などに役立てて下さい。